好きなものは、犬、馬、熊、キライなものは救いのない結末
今回のお片付けで見つからなくて気になっている本がありました。
10年以上前に買った「星守る犬」と「続・星守る犬」の2冊の単行本

捨てるとは思えないけど、いくら探しても見つからない。
無いとなると無性にまた読みたい衝動にかられネットで購入、読む、号泣です。
西田敏行さん主演で映画化もされたある意味実話ともいえる村上たかしさんの漫画です。
「ある意味実話」とは、この物語のもとになったのが、作者の村上さんが昔見た電光掲示板に出たニュースだそう。
「廃棄車両に男性の遺体。足元に犬の遺体も」限られた字数になぜ犬のエピソードまで入れたのか心に引っかかったことからだといっています。
その現場にいた警察官はきっと犬飼いだったと思う。そして電光掲示板に流す文章を書いた記者もきっと・・・
既に白骨化した男性の遺体のそばで亡くなっていた犬の遺体が比較的新しかったことから、犬の最期が想像できたに違いありません。
実は、これも「漫画アクション」という男性誌に連載されていました。
本屋さんで見つけた時、絵のタッチがあまり好きではない部類でしたが、描かれた犬が本当にかわいい!
「星守る犬」ってどういう意味だろう、題名に「犬」が入っている限り見ないわけにはいかないと2冊買いました。
でも、読み進めていくうちにそのストーリーに引き込まれます。他人ごとではないから
でも、なんでこの始まりで、この終わり方??切なすぎるじゃないですか!ヽ(´~`;
続編には救いがあるのかな?と思ったけどやはり爽快なハッピーエンドではないです。
でもまた読み終えて心にけじめがつけられた気もします。
それぞれの人間の立場や境遇とそれぞれの思いと行動、そして犬目線の活字

お金も、薬も、ガソリンも尽きて
たどり着いた終の棲家
別れた家族に迷惑をかけないようにと
身元を特定できるものすべてを処分して
犬との最後の時間を過ごす。
おとうさんは自分の薬代を投げうってでも犬のために・・・

もう目も見えなくなり死を覚悟した時の行動の優しさ、車のドアを半開きにして、最期まで犬への思いやりがつらいです。
おとうさんの死を知らず傍らに寄り添い夜空の星を見上げる、今日こそ起きてくれる、散歩に行ってくれるとひたすら信じて1年
バーベキューを楽しむ家族をみて、おとうさんとの家族だと勘違いし、嬉しさのあまり吠えながら近寄っただけなのに人間から見れば野犬が襲ってきたと思うんですね。
その家族の父親に殴られ、追い払われ、頭から血を流しながら、おとうさんの元へ


犬ばかにとっては、苦しく切ないだけでどこにも救いが無い漫画!!
最期を愛犬に看取ってもらい、亡くなった後も犬がそばにいてくれた。
おとうさんは誰の目にもさみしい孤独死に映っただろうけど、人間社会で孤立したからと言って不幸とは限らない、むしろ幸せだったかも知れません。
そして犬もきっと・・・・・犬の名前は ハッピー です。
1巻は「星守る犬」「日輪草(ひまわり)」の二部構成で、ケースワーカーとして勤めるひ弱感のある目立たない青年が旅先で死亡したとされる「おとうさん」の遺体の傍らで死んでいた犬のことに興味をもち自分の過去と重ねながら、ふたりの死について調べる旅に出る。
ここで作者が「ひまわり」をあえて(向日葵)ではなく(日輪草)としたか見えたかも。
2巻の続編は「双子星」と「一等星」と「星守る犬/エピローグ」の三部構成でハッピーの弟犬「チビ」を通して1巻での「おとうさんとハッピー」を縁取っていく
人間は自分の目に見えている実態だけがすべて、でも目に見えていない部分こそが大事なんだと思わせてくれます。
二度目にしてこの号泣、外では絶対読んではいけませんよ(笑)
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