忘れられない日本映画「南極物語」

南極物語 1983年 日本映画で初めて感動した映画だと思います。

日本でもついにこんなドキュメンタリータッチの映画が撮れるんだ!と、

高倉健さん、渡瀬恒彦さん、名優の演技が、流れる音楽が、犬たちが、本当にすごい

南極に置き去りにされた犬たちのシーンにセリフなんてありません。
タロとジロ2頭の兄弟犬だけが生き残っていた事実、それだけです。

漆黒の闇と酷寒の地、犬たちだけでどうやって暮らし、タロとジロはどうやって生き延びたのか

そして、タロとジロの親代わりのようだったというリキの存在
鎖から逃れていたにもかからわず自ら幼いタロとジロを守って他の犬と行動を別にしたリキ

この映画は、高倉健さん渡瀬恒彦さんが演じた役の実際の越冬隊員の人たちからの情報と、作者の想像力の賜物だと思う。

でも、きっとこうだったんだろうと、すごく伝わってくるんです。
実話だから結末は分かってるわけですが、映像の世界に引き込まれます。

映画のポスターになったワンシーン
健さんが駆け寄って来たタロを抱きしめる
氷に閉ざされた極寒の大地のイントロのあと
犬ぞりを引く犬たちが映し出されます
取り残された犬たちは真っ暗闇の中で
こんな風景も見ていたのでしょうね
力尽きて静かに目を閉じるリキ
仲間たちが一匹、また一匹と命つき、
とうとうタロとジロだけになって、
徐々に人間との記憶も薄れて行き、
たくましくなって行くタロとジロ
帰ってきた隊員の呼ぶ声に振り向く二匹
一旦その場を立ち去ろうとする二匹、
でも名前を呼ばれ二匹の記憶が蘇る
確信を持って渾身の力で駆け寄る
この目がすべて

犬たちは人間を恨むこともなく、ひたすら生きる、今を生きることだけ。

そうとうに過酷な撮影だったと思います。その価値が十分すぎるくらいにある作品だと思います。

そしてこのふたつのシーンのような撮影テクは日本の映画史上、無かったものだと思います。

監督の蔵原惟義(くらはらこれよし)さんが日活の監督を退いてフリーになってからの作品です。

後でわかったことですが、「キタキツネ物語」もこの監督だったんです。
「南極物語」より5年も前に、日本で初のドキュメンタリー映画を手掛けてたんですね。
当然キタキツネ物語も観ました、素晴らしかったです。
感動というのとは少し違って、自然界の厳しさやキタキツネの生態、人間の傲慢さ、優しさ
日本でもこんなNature Dokyumetariが撮れるんだなという感動が静かに心に浸みる映画でした。

蔵原監督は南極物語を、ディズニーのようにはしたくなかったと言ったそうですが
23年後の2006年ハリウッドでリメイクされた南極物語(原題: Eight Below)もハリウッドらしい!というところもあり、また違った感動がある価値ある作品です。

ちなみに日本の南極物語は英題が「ANTARCTICA」

23年後にリメイクされたということは英語圏の人たちにも感動を与えたということですね。

高倉健さん「駅 STATION」別名「ぽっぽや」素晴らしい映画でした。
出来ることなら貴方の次の映画が観たい!心からそう思います。

初代の南極観測船「宗谷」は東京都船の科学館に展示されています。

タロとジロの銅像があるのは名古屋港、2代目の南極観測船「ふじ」が係留されています。

それぞれ博物館として中を見学できます。

私が行ったのは何十年も前のことなので現在の事はwikiかgoogleで

この記事を書きながら、断片断片でその当時の事を思い出しました。
白黒テレビで、映画館のニュースで、あの独特の耳に残るナレーターの声で流れてたことが蘇りました。

Merry Christmas With Corona ステイホーム、なのでDVD日本版とハリウッド版2本立てで観ます。
今年は涙のクリスマスイヴになること必至です。(笑)

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Posted by yukko